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推測にすぎませんが・・・・ [高知白バイ事件]

さて、前の記事で、この事故に関する色々な可能性を上げてみました。

・前方不注視(4~5秒の間?)??
・居眠り(過労?)??
・身体的異常(脳血栓等?)??
・速度超過(6秒も余裕がなかった?)??
・前方が見えなかった(先行車による視界不良?)??

今となってはこれらのどの可能性についても、証明する手立ては無いと言えそうですし、また、全く他の要因によるものだった可能性も否定できない状況です。

ですので、これからの記事は、私の全くの推測にすぎないものです。

ええ・・・実際の証拠もなければ証明する手段もありません。

ですので、ただの推測であり、仮説なんです。

この仮説を証明する手立ても無ければ、裏付けを取る方法も、もちろんありません。

それでもお付き合いいただける方は、ご一読いただければと思います。


さて、今日のテーマは・・・・・なぜ、バイクはバスに衝突したのか?????


事故が起きたのは国道56号線。

国道には規格があって、交差点前後の見通しは100m程度が確保されるように設計されています。
当該交差点についても、何事もなければ、100m以上の見通し距離が確保されています。
bike走行軌跡(1).jpg
こんな感じですね。
確かに見通し距離は十分で、私もこの図面を見る限りでは、この交差点で事故が起きる事の方が不思議な感じを持ちました。

実際、第二車線を走行中のバイクから見て、第二車線前方に何か障害物があって(大型トラックのような)見通しが利かなかったとしても、このように、85mほどの距離で(先行車との車間距離にもよりますが)右折車線側(図上赤丸)に、異常を発見することが可能です。
bike走行軌跡(2).jpg

さらに、先行する障害物は、交差点内で待機する、あるいは路上に侵入してきているバスを確認しているはずで、当然減速を始めているはずです。

であれば、前方が見えなくなるほど車間をつめてバイクが接近してくるとは考えにくいと考えていました。

ところが、この図面を睨んでいるうちに、ある一つのケースが浮かびました。
・・・バイクの走行車線が第一車線だったとしたら??・・・・
このようなケースです。
bike走行軌跡(3).jpg

この場合、走行中の第一車線の前方がクリアであったとしても、隣側の第二車線に障害物があったとすれば、交差点は見通すことができません。
ここで注目したいのは、先ほどのケースよりも、障害物の大きさが小さくても、見通しが利かない状態になるという事です。

そして、交差点に近づく際に、障害物も同様に移動していたと考えると・・・。
bike走行軌跡(4).jpg
このように、現場まで87mの距離になっても、交差点の異常に気がつくことはできません。

そして、さらに近づき、70mを切ったころ・・・・・。
bike走行軌跡(5).jpg
前方の「路肩側」(赤丸部分)が見えてくることになります。

ここで着目に値するのは、初めに異常を発見するのが、前方交差点の路肩側である点です。
つまり、この時点ではバイクにとって、注意すべきは路肩側であって、中央側ではないという認識になるという事です。

さらに言うならば、この時点で路肩側第一車線は、交差点内のバスを発見した車両が減速を始めていた可能性があります。
そう考えると、この時バイクにとっては第一車線側の減速車両が最大の注意点だったのかもしれません。

そして、これらの減速を通じて前方(進行方向を直進した先)に異常があると認識したバイクは、その逃げ道を中央側に取ったと考えれば・・・・・。

瞬間的にこのような軌跡をイメージし、右斜め前の障害物の後ろをパスして、「安全な」中央側を通過することをイメージしたのかもしれません。

あるいは、先行する障害物車両が、前方の交差点を通過するために減速しながら左方にウインカーを出し、車線変更を始めたか・・・・?

そして第一車線前方には数台の乗用車が交差点左端を通過するために、減速しながらつながり始めており、回避する隙間がなかったか・・・?

bike走行軌跡(6).jpg

いずれにせよ、第二車線をまたぎ、右折車線側に進路をとることは、再度バイクからは、交差点が死角に入ることを意味しています。

そして障害物の後ろを通過して、前方の視界が開けたその時、
bike走行軌跡(7).jpg
現場からの距離は、すでに35mを切っている事になります。

ただし、この3枚の図面のうちの・・・・。

そもそも、1枚目の、交差点で異常を発見できたであろうポイントでは・・・。
現場までの距離約70mの地点です。

通常、60km/hrからの停止距離は、0.7秒程度の空走距離も算入しても、32.75mです。
つまり、時速60km/hrならば、楽勝で停止できる距離が残っています。

60km/hrで走行している時、この距離で異常を発見したバイク乗り(一般)が、一切の減速をせずにそのまま「回避」に移るというのは、通常考えられる状況ではあり得ません。

何か特別な事情があって急いでいるとか、あるいは、何が何でも停止せずに通過しなければならなかったのか・・・?

いずれにしろ、このバイクは、停止せずに回避行動をとったと事になりますので、この時点で速度超過の疑いが持たれる事になります。

そしてこの3枚目・・・。
現場からの距離が35mを切っている図面ですが・・・。

この時点でも、走行速度が時速60km/hrならば、まだぎりぎりですが停止できる距離だったはずです。
再三言いますが、60km/hrからの停止距離は、0.7秒程度の空走距離も算入しても、32.75mです。

ここでも60km/hrならば、事故は起きていません。

ところが、実際に事故は起きてしまいました。

では、回避は出来なかったのか??

この、障害物となる車両を中央側によける軌跡をイメージした際、白バイは障害物をよけた後は、対面側の右折車線と干渉する軌跡を通らないように、障害物の前に回り込むような軌跡をイメージしていたのではないでしょうか?

そして、そのコーナーリングラインを描き始めて、障害物の後ろを通過した時・・・。

前に回り込むために左側にバンクしてコーナーリング中だったのではないでしょうか?

白バイの訓練で、直進状態からの危機回避運動の訓練をしている映像を見かけたことがあります。
見事に、瞬間的な判断で、ランプが点灯した側に一気にバンクさせて回避行動をとります。

ええ・・・直進状態からならば、回避は出来たのかもしれません・・・・。

左側にバンクして、左向きの弧を描くラインを走行中の正面に、急に障害物が現れた場合・・・。
そしてそれが左側に向かって大きな壁のように立ちはだかるバスであった場合・・・。

安定したコーナーリング姿勢から、一気に逆側に切り返すと言う事が、どれだけ大変な事か・・・・。

異常を察知したその瞬間が、バンクしてコーナーリング中であったとすれば、そこで出来ることは限られています。

切り足すか?・・・・または「転倒して回避」するか?
それとも、間に合うかどうか解らなくとも、切り返すか?

いずれにしろ、一瞬の間(判断時間とバランスを変える操作を行う時間)ののち、回避行動を始めたら後戻りはききません。

ただ、この段階で転倒する事は、衝突自体は避けることができない事を覚悟しなければなりません。

一般のバイクならばいざ知らず、白バイが一般道路の交差点で事故を起こすことは、極力避けなければならない事だったのかもしれません。

つまり、衝突を確定させる「転倒回避」を選択するには抵抗があったのかもしれません。

bike走行軌跡(8).jpg

いずれにせよ、回避のための、再度の切り返しは、わずかの差で間に合わなかったと考えられます。

衝突位置から考えれば、あと50cm余計に避けられていれば、致命傷は回避できたかもしれません。
ただし、バスとの接触の末、対向車線にコントロール不能で飛び出し、対向車と多重事故を起こしていた可能性もあります。

あるいはコントロール不能のまま、対向車線を突き抜け、民家に突っ込んでいった可能性も否定できません。

いずれにせよ、何らかの事故が避けられない状況になってしまっていたのかもしれません。

そう考えれば、あるいは最終的にこのバイクが取った行動は、究極の最善策だったのかもしれません。

より大きな事故を回避するためには、最後にはバスに衝突するしかなかったのかもしれません。

ともあれ、すべてを通じて考えられる事は、走行速度は少なくとも60km/hrではなく、「相当の速度」が出ていたのではないかと考えられる点です。

リスクを発見した35mの距離。

仮に100km/hrでの走行があったとすれば、空想距離は0.7秒で20.83m。
制動がかかる距離は、残りの15m程度しかありません。

100km/hrから停止に必要な距離は77.07mです。


ええ・・・・・もちろん、すべてが推測です・・・・・・。

バイクの実際の走行速度を証明する事の出来る証拠はありません。
唯一あるのは「身内であり、利害関係が存在する同僚の証言」だけです。

また、その他の証言でも「バイクは第二車線を走行していた」とする証言ももあります。
ただ、「第二車線の第一車線寄り」ではどうなるか???

さらに、検討図では障害物を移動させていますが、この相対速度なども、特に検証している訳ではありません。

本当に、限りなく確率の小さな偶然の積み重ねにすぎないと思います。
ただ、往々にして、そうした小さな偶然が事故を生むものですよね・・・・。

そして、そこには大きな不幸と悲しみが残るだけです。

この事件の「事の起こり」が、こうした不幸な事故であった事には間違いは無いと思います。

ただ、事故後にこの件を事件にした「何者かの意思」が働いただけで、それは本来当事者たちには何の関係もなかった事だったのではないでしょうか・・・・。



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コメント 4

pti

>あるいは、先行する障害物車両が、
>前方の交差点を通過するために減速しながら左方にウインカーを出し、
>車線変更を始めたか・・・・?


この部分について私の考えですが、
私は車線変更していない、
ウインカーは出してないのではと想像しています。

第二車線から写した事故現場の写真から感じ取れることは、
第二車線を通行のトラック運転手側からでは、
バスの後方と信号機支柱との位置関係が、かなり狭く感じられます。
例え乗用車が通過できたとしてもトラックではどうかと・・・、
自分がそのトラックの運転手であれば、そう思ってしまいます。

もし、バスの後ろを通過しようとし、通過できない場合は後続を渋滞にしてしまう。
切返し等が必要になると尚更面倒くさいことになるかもしれない。
そのリスクを負ってまで、バスの後方を通らなくても
バスが通過してしまえば、問題なく通過できる。
自分でしたら、そう判断します。
大型トラックであればなおさら、狭い箇所は躊躇してしまうと思うのです。


トラックは視線が高い位置で視界も広い。反対車線の車両の動向もよくわかる。
大概のトラック運転手(短気な運転手であっても)は、
事故での渋滞による障害物回避や、
目視での見通し(障害物がない状態)が良好な場合でなければ、
このような状況で車線変更してまで、
バスの後方を通過しようとは思わないのではないかと、
私は想像するのですが・・・。



by pti (2012-04-11 18:56) 

あびすけ2号

はい。
この記事は初めにおことわりした通り、すべて私の推測によるものです。

ですので、色々な方のご意見は、それぞれにあるかと思います。

例えばご意見いただいた点ですが、ここで重視している点は、第一車線側から後続車として続いてきた白バイが、なぜ中央車線側の方に向けて、先行車を回避する行動をとったか?という点です。

交差点が見えない状況で、先行車両が左側に向けて移動するそぶりを見せたからこそ、白バイは中央車線寄りに回避する行動をとった・・・という推測です。

トラックが実際にどう動いたかはわかりません。

ただ、白バイから見た時、トラックには左側に動こうと言う「意志」が感じられたのではないか?という事です。

ですので、実際にトラックがウインカーを出していようがいまいが、この記事で推定した白バイの動きは変わる事はありません。

by あびすけ2号 (2012-04-13 16:26) 

pti

>この記事は初めにおことわりした通り、すべて私の推測によるものです。
はい、了解しています。

ちょっと話はそれるんですが、
以前、支援者サイトでバイクの走行経路で想定されている経路について、
お伺いしたことがあります。

お聞きした内容が、
トラックを中央車線から追い越すために、
このトラックの側面ギリギリを走行、中央車線と第二車線のライン辺りとの事でした。
トラックを追い越した後は、
大凡あびすけ様と同様な経路・状態・形態だったと記憶してます。
トラックの側面ギリギリというのが追い越すのに最短距離ということらしいのですが、
もちろん、この経路はlm767様にお聞きした訳で、弁護側とは違うかもしれません。


あびすけ様はこの経路についてどう思われますか?
特にトラックの側面ギリギリという表現の経路について


by pti (2012-04-13 20:46) 

あびすけ2号

さて、どうなんでしょうか・・・。

「この経路」と言われているものについて、その際の周囲の状況などの想定を含めた全貌を、私は把握していませんので、その中の部分的表現について、どうかと聞かれましても・・・なんとも言えません。
by あびすけ2号 (2012-04-17 11:47) 

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