謎の計算式---続き--- [高知白バイ事件]
先日の計算式の続きです。
件(くだん)の計算式は、こちらのサイトに出ているものです。
↓
http://littlemonky767.blog102.fc2.com/blog-entry-639.html
これは、バスと白バイが衝突した交通事故の事故鑑定の際に、路面に残されたとされる「タイヤ痕」から、バスの走行時の速度を割り出すための計算式として用いたものです。
以下、引用になりますが、以下のように書かれています。
-----------------
走行している自動車の制動距離から制動する前の速度を算出する力学式より、本件のスクールバスが横滑り痕を印象する前の速度を算出してみる。
計算式1
v=√2gμSK
ここで v 横滑り痕を印象する前の速度で未知数
g 重力の加速度で9.8m/秒・秒(定数)
μ タイヤと路面の摩擦係数で0.8(添付資料2参照)
S 横滑り痕の長さ(制動距離)で約1.2メートル
K 制動したタイヤの割合で前軸重と後軸重の加重比)
(前軸重2560kg:後軸重5770kg)
である。
上記した数値を代入して計算すると
v=√2×9.8×0.8×1.2×(2560/8330=0.3)
=2.4m/秒(約8.64km/h)
(※すべて原文のまま。特に「計算式1」以降の式と数値、計算の部分はコピーされた画像が貼り付けてありますので全くの原文です。)
---------------------------
さて、私は、前エントリーで「K」って何でしょう????と、書きました。
ここでもう一度、同じことを問うてみます。
「K」って何でしょう????
ここに、もうひとつの、ひとつの関係式をご紹介します。
●「摩擦力」のする仕事
質量mの物体が、摩擦係数μ’を持つ水平な面上をsだけ動いたとき、早さがvからv’に変化したとすると、その時の「摩擦力」のした仕事は、以下の関係式で表すことが出来ます。
1/2mv^2-1/2mv'^2=μ'mgs
g:重力加速度(9.8m/s^2)
この関係式は、運動エネルギーと摩擦による仕事の関係を表しているもので、各大学の工学、物理系の学部の例題などにも、多く見られます。
ここで、初速vを未知数とし、終速v’を停止状態の0とします。
つまり
1/2mv^2-0=μ'mgs ということになります。
ええ、、質量mは、この時点で両辺にありますね・・・・・。
で、この式を整理し、未知数vを求める形にしてみましょう。
1/2mv^2-0=μ'mgs
1/2mv^2=μ'mgs (マイナス0は必要ないので取っちゃいます)
1/2v^2=μ'gs (mは両辺にあるので双方mで割って消しちゃいます)
v^2=2μ'gs (両辺ともに2倍して左辺の1/2を消しちゃいます)
v=√2μ'gs (両辺に√かぶして左辺の^2取っちゃいます)
・・・・・整理する段階で、両辺にある質量mは消えて、質量の要素はなくなっていますね。
はい、そうです。
つまり、摩擦係数を用いて、運動エネルギーと仕事の関係式から、速度と移動量の関係式を作り出そうとするとき、物体の質量はこの計算に全く関係しない・・・と・・・・
いうことなんです。
さて・・・・そこで、謎の式で登場する「K」ですが・・・・。
軸重の加重比・・・という事ですね・・・。
つまり、車両の重量は前軸と後軸に分散しているため、前軸の加重比の分だけしか前軸にはかからないので、何か知らんけど、この計算でも補正したらいいんじゃないの???
・・・・的な、安直な考えで、補正しちゃってませんか???コレ・・・・・。
運動エネルギーと摩擦力の仕事の関係では、重量の要素は無視されてしまうのに・・・・。
こんな計算式、(v=√2μgSK)なんて持ってきちゃったら、コレは「物理の新理論」って事になっちゃいますよ。
ねぇ・・・・・どうしましょう???
件(くだん)の計算式は、こちらのサイトに出ているものです。
↓
http://littlemonky767.blog102.fc2.com/blog-entry-639.html
これは、バスと白バイが衝突した交通事故の事故鑑定の際に、路面に残されたとされる「タイヤ痕」から、バスの走行時の速度を割り出すための計算式として用いたものです。
以下、引用になりますが、以下のように書かれています。
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走行している自動車の制動距離から制動する前の速度を算出する力学式より、本件のスクールバスが横滑り痕を印象する前の速度を算出してみる。
計算式1
v=√2gμSK
ここで v 横滑り痕を印象する前の速度で未知数
g 重力の加速度で9.8m/秒・秒(定数)
μ タイヤと路面の摩擦係数で0.8(添付資料2参照)
S 横滑り痕の長さ(制動距離)で約1.2メートル
K 制動したタイヤの割合で前軸重と後軸重の加重比)
(前軸重2560kg:後軸重5770kg)
である。
上記した数値を代入して計算すると
v=√2×9.8×0.8×1.2×(2560/8330=0.3)
=2.4m/秒(約8.64km/h)
(※すべて原文のまま。特に「計算式1」以降の式と数値、計算の部分はコピーされた画像が貼り付けてありますので全くの原文です。)
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さて、私は、前エントリーで「K」って何でしょう????と、書きました。
ここでもう一度、同じことを問うてみます。
「K」って何でしょう????
ここに、もうひとつの、ひとつの関係式をご紹介します。
●「摩擦力」のする仕事
質量mの物体が、摩擦係数μ’を持つ水平な面上をsだけ動いたとき、早さがvからv’に変化したとすると、その時の「摩擦力」のした仕事は、以下の関係式で表すことが出来ます。
1/2mv^2-1/2mv'^2=μ'mgs
g:重力加速度(9.8m/s^2)
この関係式は、運動エネルギーと摩擦による仕事の関係を表しているもので、各大学の工学、物理系の学部の例題などにも、多く見られます。
ここで、初速vを未知数とし、終速v’を停止状態の0とします。
つまり
1/2mv^2-0=μ'mgs ということになります。
ええ、、質量mは、この時点で両辺にありますね・・・・・。
で、この式を整理し、未知数vを求める形にしてみましょう。
1/2mv^2-0=μ'mgs
1/2mv^2=μ'mgs (マイナス0は必要ないので取っちゃいます)
1/2v^2=μ'gs (mは両辺にあるので双方mで割って消しちゃいます)
v^2=2μ'gs (両辺ともに2倍して左辺の1/2を消しちゃいます)
v=√2μ'gs (両辺に√かぶして左辺の^2取っちゃいます)
・・・・・整理する段階で、両辺にある質量mは消えて、質量の要素はなくなっていますね。
はい、そうです。
つまり、摩擦係数を用いて、運動エネルギーと仕事の関係式から、速度と移動量の関係式を作り出そうとするとき、物体の質量はこの計算に全く関係しない・・・と・・・・
いうことなんです。
さて・・・・そこで、謎の式で登場する「K」ですが・・・・。
軸重の加重比・・・という事ですね・・・。
つまり、車両の重量は前軸と後軸に分散しているため、前軸の加重比の分だけしか前軸にはかからないので、何か知らんけど、この計算でも補正したらいいんじゃないの???
・・・・的な、安直な考えで、補正しちゃってませんか???コレ・・・・・。
運動エネルギーと摩擦力の仕事の関係では、重量の要素は無視されてしまうのに・・・・。
こんな計算式、(v=√2μgSK)なんて持ってきちゃったら、コレは「物理の新理論」って事になっちゃいますよ。
ねぇ・・・・・どうしましょう???
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